こんにちは。みたか・すりーばーど(@zombie_cat_cut)です。
今回は『幻想殺し』の謎についてまとまていきたいと思います!
なお、今回はあくまで『幻想殺し』について検討しますので、『竜王の顎』とかはでてきませんよー!
『とある』シリーズの原作、漫画、アニメ全てのネタバレが含まれますので、ご注意ください!
とある魔術の禁書目録 とは
鎌池和馬のデビュー作で、「科学サイド」と「魔術サイド」が混在・対立する世界観を描いた作品。2020年2月現在、電撃文庫(KADOKAWA)より、既刊49巻(本編48巻、短編集1巻)が刊行されています。
現在の最新刊はこちらの創約 とある魔術の禁書目録 (電撃文庫)です。
とあるシリーズ初見の人でも楽しめる内容になってますよ!
漫画版の最新刊はこちらのとある魔術の禁書目録(23) (ガンガンコミックス)です。あわせてどうぞ!
幻想殺し とは
「それが異能の力であるならば、神様の奇跡でさえ問答無用で打ち消す能力」
その正体は「全ての魔術師達の怯えと願いが結実したもの」。 すなわち、魔術を極めれば世界を思いのままに歪められるが、 歪めた結果弊害が起きたとき、「魔術の影響を受けないもの」があれば、それを基準に元の世界の姿を思い出すことが可能となります。そんな「世界を元に戻すための基準点」が幻想殺しなのだそう。
こちらの記事でも解説しているので、参照してみてくださいね!
➤➤【とある魔術の禁書目録】幻想殺し・理想送り・鳴護アリサを生んだ”願いの力”【解説】 - sky depth
先代の幻想殺し
時代・神話の転換点には、いつも幻想殺しと同質の力が、武器や洞窟などの形で出現していたようです。
そして、上条当麻の右手に宿る前の幻想殺しは「ブライスロードの秘宝」と呼ばれ、それは矢の形をした究極の追儺霊装だったようですね。
突き刺さっていたのはたった一本の矢であった。
ただし素材は鉄でも木でもない。濁った色のワックスを固めたような何か。先端が歪な五つ又に分かれた、何かを掴もうとする掌のような……。
『鏃は骨、矢羽は革、本体の矢柄は蝋……それもまた、血肉が蝋と化した屍蝋』
つまり。
それこそが。
『幻想殺し。とある聖者の右手を素材に製造された究極の追儺霊装。元は召喚失敗の際に退却せぬ者を魔法陣の向こうへ追い返すために用意されていた秘中の秘となる兵器です』
引用:新約 とある魔術の禁書目録(18) (電撃文庫)(色は筆者による。)
所有者に対する「火花」(魔術の使用から発生する不幸)を払う力もあるらしく、ブライスロードにある『黄金夜明』の拠点で厳重に保管されていたようです。
しかし、『黄金夜明』の内乱(ブライスロードの戦い)でアレイスター=クロウリーとメイザースとの決戦の最中に破壊され、力は時代を超えて「別の器」(=上条当麻)に宿る事になりました。
今代(上条当麻)の幻想殺し
上条当麻の右手の特徴はこんな感じ。
- 学園都市内の身体検査(システムスキャン)ではレベル0
- 効果範囲は右手首より先のみ
- 龍脈、地脈などの惑星を循環するエネルギーに対しても効果を発揮
- ただし、「調和の取れた破壊」(異能の力を不自然に高められていないレベルまで引き戻す)を行うため、地脈や龍脈などが正常運行の場合には発動しない
- 『天使の力(テレズマ)』も打ち消す
- インデックスによれば、神様の御加護や運命の赤い糸といった幸運の力(自身の運気)をも打ち消してしまっている
- 「幻想殺しは同じ世界に2つも存在できない」「上条当麻に取り付けられた腕にこそ本物の力が宿る」(旧約22巻)
- 無効化できてもその処理能力には限界があり、一度に多量の現象を処理しようとすると消去に時間がかかり、右手で受け止めることになってしまう(=単位時間あたりに処理できる異能の種類・個数・量に限界あり)
上条当麻の右手に宿る『幻想殺し』も、基本的には先代のものを引き継いでいると思われますね!
矛盾点
しかし、『先代の幻想殺し』と上条当麻の右手には、いくつか異なる点が。
① 上条当麻の不幸体質
『先代の幻想殺し』と上条当麻の右手の『幻想殺し』を比べた時に、最も気になるポイントがこちら。
つまり、所有者の不幸を払うはずの幻想殺しを持つ上条当麻が、なぜ不幸体質なのか?という疑問が湧いてくるわけですね!
② 効果範囲
また、異能を打ち消す効果範囲にも大きく違いがありますよね。
③ 右手から製造できるのか
さらに、『先代の幻想殺し』は、とある聖者の右手を素材に製造された究極の追儺霊装とされています。
つまり、聖者の右手を切り取って製造した、ということですね。
『右手』という点は、上条さんと共通しているので、何か意味があるのかも!
一方で、上条当麻の右手は切られても再生します。なので、『先代の幻想殺し』と同じように、上条当麻の右手から追儺霊装を製造しようとしても、不可能に思えますね。
ヒントは『左方のテッラ』?
オッレルス曰く、『神の子』の処刑を専門に研究していた左方のテッラは、自身の類まれな魔術と研究により、幻想殺しの正体を知る為に最も近かった人材だそう。
かつて、神の子は世界人類の『原罪』を背負うために、本来の順位を無視して『ただの人間』に殺された。『光の処刑』とは、その「神の子が人の手で処刑された矛盾」を基にし、万物の優先順位を変更する魔術。
時代・神話の転換点には、いつも出現していたという『幻想殺し』。
テッラは、『幻想殺し』により『神の子』が処刑された可能性がある、と考えて『幻想殺し』の研究をしていたのかも?
そんな左方のテッラの発言集がこちら!
- 「幻想殺しがここまで未完成とはねー。」
- 「あれが本来の性能を回復していれば、少なくとも今の攻撃(胴体への横薙ぎのギロチン)からそちらの魔術師(五和)を庇う事くらいできたはずなのに」
- 「普通ならば知っていなければならない。」
- 「幻想殺しは右手にしか適用されないはず。」
- 「まさかすでにその力にはーーーッ‼︎」
この発言を見る限り、上条当麻の右手は本来の性能が回復していない=未完成のようですね。
テッラはこのとき『幻想殺し』が未完成と言っていたので、『竜王の顎』について知っているわけではない、という解釈でいいのかな?
ちなみに、神上となっていた時のフィアンマは『神の子』と同格の力を得ていましたね!
「使い方」の問題で、かつて"実在した神の子"の域には辿りつけていなかったようでしたが、それでも『幻想殺し』だけでは倒せなかったようでした。本来の性能が回復していたら、『神の子』と同格の力をもつフィアンマを『幻想殺し』でワンパンできたの可能性もあるのかも。
上条当麻の不幸体質の原因は??
ここからがやっと本題!
上条さん自身は、不幸体質についてこのように語っています。
(父さん達が見ているのは、不幸体質の方だけだ。 幻想殺し、具体的に右手の掌を使って異能の力を打ち消すところまでは把握していない。 つまり、あの時点で幻想殺しが完成したのかどうかは証明できないって線もあるのか。 でもインデックスの話だと神様の加護を右手で断ち切るから不幸体質は生まれるって説明だった。 これだと幻想殺しが先になければ不幸体質は成立しない。 どういう事だ、何が、どこで、どんな風にねじれている・・・・・・?)
引用:新約 とある魔術の禁書目録 (15) (電撃文庫)(色は筆者による。)
上条当麻の不幸体質の原因について、こちらの動画で考察されていますね!
【とあるシリーズ考察】とある世界の考察 前編『上条当麻=ハディート』説
簡単にまとめると、こんな感じ。
すごい説得力ありますよね!「リソースを割かれている」というの聞いたときは、なるほど!となりました。笑
この解釈からすると、左方のテッラが言っていた本来の性能というのは、『竜王の顎』にリソースを割かれていない場合の性能を指している、ということになるのでしょうか。そして、『竜王の顎』は作中で成長していっている描写があるので、この見解からすると『幻想殺し』はどんどん『竜王の顎』を打ち消すのにリソースを割くようになり、どんどん性能が弱まっていくことになりそう?
ただし、疑問点もあります。
アレイスターは、『黄金夜明』に所属していた頃、『幻想殺し』の恩恵を受けていましたが、その娘リリスには『幻想殺し』の効果が及んでいませんでした。『幻想殺し』が所有者の不幸しか払わないのであれば、『不幸の避雷針』という解釈は果たして妥当なんでしょうか。
もっとも、上記の見解を完全に否定するほどの疑問点とはいえないですね!
まとめ
というわけで、個人的には『不幸の避雷針』となっているのは『幻想殺し』ではなく、『竜王の顎』なんじゃないかなーっと思ってます。
長くなりましたが、今回は以上で!
みたか・すりーばーど(@zombie_cat_cut)でした。