【まとめ/考察】『幽霊』の正体に迫れ！幽霊少女に自我が生まれた理由とは？【とある魔術の禁書目録/インデックス】

人工霧発生装置で浮かぶ白装束の幽霊少女。自分の名前や死因を思い出せない地縛霊。
上里勢力後衛担当。ネットを介した群集心理の操作が得意。
食事や睡眠は必要ないが、匂いで存在を維持する為に、野菜や果実を常食している。パソコンに触れられることから分かる通り、幽霊でありながら現世に物理的に干渉できる。
人間が幽霊を見るメカニズムには諸説あるが、一説には低周波や匂い等の、明確には意識できない知覚情報が脳に与える作用だという。
周囲に浮かぶヒトダマのような発光の正体は『香炉』と呼ばれる小型ドローンであり、ここから匂い等を発して生前の姿や自我を維持している。また、飲食物によって体臭を調整するのにも同様の効果がある。
匂いの配合を変化させれば巨大化も可能。この状態のときは『香炉』を必要としない半永久機関と化し、彼女に対するあらゆる干渉を無効化して一方的に攻撃できるほぼ無敵状態となる。ただしあくまで「匂い」を調整して維持しているため、大量の匂い成分をぶつけられて匂いの配分を乱されると解除されてしまう。

フリルサンド#G

ドレンチャー＝木原＝レパトリによって科学的に作られた人造ゴースト。
彼女の正体は要するに「高エネルギーの塊」。ハイボルテージ＝カッティング法と呼ばれる手法で構築されている。
ハイボルテージ＝カッティング法とは、ある種の高エネルギーを放射し続けると、自分自身の中で互いに干渉し合ってイレギュラーな波形や像を作り出す作用のこと。原理としては、ロケットエンジンの炎の中に見えるショックダイヤモンドや、スクリューにまとわりつく気泡のキャビテーションに近い。
そして、彼女を形作っている「高エネルギー」とは、「文明電池」と呼ばれる概念の持つエネルギーである。例えば排気ガスに含まれる二酸化炭素や窒素酸化物が空気中の水分と結合した酸性雨は、都市中の銅や亜鉛を電極とすることで一つの巨大な電池として機能し、莫大なエネルギーを持つ。この巨大な電池のことを「文明電池」と言う。彼女は街一つ分以上に大きな規模の「文明電池」が吐き出す安定したエネルギーを吸い上げ、「ノイズ」が多い突出した一点を設けることで存在を保っている。

つまりこういうこと！

両者を簡単にまとめるとこんな感じ！

御霊冥亞の正体は「低周波や匂い等」
フリルサンド#Gは「高エネルギーの塊」

それらが、「人間の形に整えられたもの」が『幽霊』ということですね！

ただ、ここで疑問としてでてくるのが、こちら。

単なるエネルギーや匂い等に、どうやって自我や人格が生まれたのか？

それでは早速、考えてみましょう！

どうやって自我・人格が生まれたのか？

ここでヒントになそうなのが、風斬氷華、ダイアン＝フォーチュン、神浄の討魔などの存在。

彼らを比較するとこんな感じになります。

	肉体を構成するもの
御霊冥亞	低周波や匂い等の、人が明確には意識できないモノ
フリルサンド#G	文明電池から得られる高エネルギーの塊
風斬氷華	学園都市のAIM拡散力場
ダイアン＝フォーチュン	地脈・龍脈から得られる『ある種の力』？
神浄の討魔	AIM拡散力場？

こうやってみると、肉体を構成するものはそれぞれ異なれど、類似点もあるように思えます。

そこで、彼らをもとに、幽霊に自我が生じた理由として、３つの仮説をたててみました！

仮説①【風斬氷華】方式
仮説②【ダイアン＝フォーチュン】方式
仮説③【 神浄の討魔】方式

それぞれ、詳しく検討していきましょう！

仮説①【風斬氷華】方式

まずは風斬氷華の説明から！

「虚数学区・五行機関」そのものであり、AIM拡散力場が人の形を取ったもの。頭部の中には『三角柱』が存在している。
アレイスターが虚数学区の制御方法を探るため、人為的に幻想殺しと言う『死』を教え込んだ結果、自我を獲得した。
妹達の「ミサカネットワーク」による計算能力をコントロールすることで、ヒューズ＝カザキリが現出する。風斬氷華をベースに、AIM拡散力場の集合体（虚数学区・五行機関）を部分的に展開させて構築を強化された人工天使となる。
頭には天使の輪、背には雷光のような翼。現出することで既存の界が圧迫され、魔術師は術の行使に大きな負荷がかかる。

幽霊と呼ばれることもあった風斬氷華の正体は、AIM拡散力場そのもの。

そして、彼女は『死』を教え込まれた結果、自我を獲得しました。

詳しい理屈はわかりませんが、つまり『死』を認識することで自我を獲得できるということ。

これが、AIM拡散力場以外の存在にも適用されるのであれば！

御霊冥亞やフリルサンド＃Gに自我が生まれたのも、『死』を教え込まれた結果なのかもしれません。

仮説②【ダイアン＝フォーチュン】方式

次に、ダイアン＝フォーチュンについて考えてみましょう。

作中に登場するダイアン＝フォーチュンの正体は、『７８枚のタロットカード』。

生前の彼女の癖や特徴を注入された『７８枚のタロットカード』は、地脈・龍脈の力が注ぎ込まれることで、ダイアン＝フォーチュンの人格と術式をもって行動するようになります。

（詳しくはこちらも参照。）

彼女いわく、「個人の癖を完全に網羅した人間の設計図にある種の力を注げば、実際に人間のように振る舞う」とのこと。

つまり、

『個人としての癖や特徴（記憶や人格）』＋『エネルギー』＝自我を持った存在の誕生

という方式が成り立つわけです！

これが幽霊にも適用されるとすれば、

『生前の御霊冥亞の癖や特徴』＋『匂い等』＝御霊冥亞が誕生
『ドレンチャーによる人格付与？』＋『文明電池』＝フリルサンド＃Gを作成

ということになるのかもしれません！

特に、意図的に作られた人造ゴーストであるフリルサンド＃Gについては、この理論が当てはまる可能性は高そう。

『文明電池のエネルギー』と『人工的に作られた人格』を掛け合わせてできたものが『人造ゴースト』、と解釈できそうですね！

一方で、ダイアン＝フォーチュンと異なり、御霊冥亞は生前の記憶を有していません。

仮説③【神浄の討魔】方式

そこで、次に検討すべきなのが、神浄の討魔。

上条当麻の能力に、主観（自我）が生じた存在。

彼は、自身のことを次のように語っています。

「俺は望まれてここにいる。だからこんな形になった。祈っただろ、上条当麻。取り留めがないと分かっていても、あの戦争のどこかで。もっとスマートに幻想殺しを扱えたら、なくした記憶のどこかにそんな操縦方法は埋もれていなかったか。お前がそんな未練を持たなければ!!　俺はなくした記憶を頼りに上条当麻と成り代わって、もっとスマートに振る舞おうだなんて馬鹿げた事を考える必要さえなかった!!!!!!」

引用：新約とある魔術の禁書目録(22) リバース (電撃文庫)

「本質はただの能力、量子を歪めるモノだ。それ自体には何もない。『俺』なんていう主観自体も、どんな逆境も乗り越える人格も足りない部分を補う記憶も。そうであってほしいとすがらなけりゃ、こんなオプションはつかなかった」　

引用：新約とある魔術の禁書目録(22) リバース (電撃文庫)

つまり、『上条当麻の祈りや未練』によって『能力』が記憶や人格と結びつき、自我が生まれてしまったということ。

これが幽霊にも適用されるのであれば、御霊冥亞やフリルサンド＃Gに自我が生まれたのも、誰かの祈りや未練の結果なのかもしれません。

ただ、人造ゴーストのフリルサンド＃Gが、祈り・未練によって生まれたというのも少し違和感がありますね。

やはり、製作者のドレンチャーが意図的に人格を付与したと考えるのが妥当かもしれません。

一方、自然発生したと思われる御霊冥亞については、生前の未練や遺族の祈りによって生まれた可能性は考えられますね！

まとめ

ということで、以上の仮説をまとめるとこんな感じ！

仮説まとめ

【仮説①】風斬氷華方式

『死を教え込まれた』結果、御霊冥亞やフリルサンド＃Gに自我が生まれた。

【仮説②】ダイアン＝フォーチュン方式

『文明電池から得られるエネルギー』と『個人としての癖や特徴（＝人格）』を掛け合わせて作られたものが、人造ゴーストのフリルサンド＃Ｇ。

【仮説③】神浄の討魔方式

『生前の未練や祈り』によって、『明確には意識できない低周波や匂い等』が『御霊冥亞の人格』と結びつき、自我が生まれたものが御霊冥亞。

こうやって、いろいろと比較してみるのも面白いですね！

それでは、今回はこの辺で。

以上、みたか・すりーばーど（@zombie_cat_cut ）でした。

Twitterもやっていますので、よかったらフォローお願いします！

なお、本ブログに掲載されている全てのことは、実際の宗教、魔術などとは、一切関係ありませんのでご注意くでさい。

sky depth

［とあるシリーズ/感想/考察/まとめ/ネタバレ注意］