Zombie Cat Cut

sky depth

[とあるシリーズ/感想/考察/まとめ/ネタバレ注意]

MENU

【考察】檮杌に接触した自称悪魔は本当にイサク・ローゼンタールなのか?【とある科学の一方通行】【アクセラレータ】

こんにちは。みたか・すりーばーど@zombie_cat_cutです。

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の一方通行(11) (電撃コミックスNEXT)が発売されましたね!

というわけで今回は、とある科学の一方通行についてです!

考察ネタが豊富な『死霊術師』編(1巻~7巻)において、檮杌』に接触した自称『悪魔』について検討ていきたいと思います!

参照➤【とある科学の一方通行】『死霊術師』編まとめ!菱形幹比古とイサクの研究成果とは?【まとめ】【解説】 - sky depth

『とある』シリーズの原作、漫画、アニメ全てのネタバレが含まれますので、ご注意ください!

とある科学の一方通行

原作:鎌池和馬、作画:山路新、キャラクターデザイン:はいむらきよたか・山路新による日本の漫画作品。KADOKAWAの『月刊コミック電撃大王』にて、2014年2月号より連載中。鎌池和馬ライトノベルシリーズ『とある魔術の禁書目録』のスピンオフ作品。正式タイトルは『とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の一方通行』。

漫画版はこちら!

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の一方通行 1-11巻 新品セット

アニメ版DVDはこちら!

【Amazon.co.jp限定】とある科学の一方通行 (全3巻セット/発売日順次お届け)(セット購入特典: オリジナルラジオCD&アニメ描き下ろし全巻収納BOX[キャラクター:アクセラレータ、ラストオーダー、エステル=ローゼンタール、禍斗]付き)(メーカー特典: 「とある科学の超電磁砲T」キービジュアル絵柄B3クリアポスター付き) [DVD]

 まずはローゼンタール家について『おさらい』!

ローゼンタール家400年の悲願

完全なるゴレムの作成>

 

 完全なるゴレム完全なる魂魄完全なる身体を持つ存在、すなわちの創造

ローゼンタール家の歴史

  • 初代オベドが、死体に疑似魂魄を植え付ける方法を編み出し、それまで単純な命令しか実行できなかったゴレムが、人間の脳を使うことで劇的に知性を高めることができた
  • 異端として故郷を追放され、流れ着いた東洋にて、四代目イサク道教の跳尸術を取り込み、ローゼンタール流の魔術を生み出した
  • 五代目のネイサンが疑似魂魄の性能を飛躍的に高め、『檮杌』『饕餮』『渾沌』『窮奇』の4体を生み出し、4代目イサクの魂魄を『檮杌』に転写した
  • 23代当主エステルが「プロデュース」スーパーバイザーとして学園都市の研究に協力していた

『悪魔』の教え

『檮杌』が自称『悪魔』に教えられた悲願成就の方法がこちら!

  • 人の魂魄は死を10000回繰り返すことでゆっくりと進化、最終的にケテルに至る
  • 人造で生み出された疑似魂魄でも、死の証を10000回書き加えることによてケテルに至る
  • 園都市に保管される10031回の死の記憶をたった一つの公式に変換して、『疑似魂魄』を構成するセフィロトに書き加えることで悲願は達成される

「ケテルに至る」の意味

生命の樹(セフィロト)

引用:Wikipedia

f:id:zombiecatcut:20200328192703p:plain

『ケテル』というのは、生命の樹(セフィロト)の一番上にある『セフィラ』のこと。

右図の天頂の白丸のセフィラ(ケテル)から右下の灰色丸(コクマー)、左の黒丸(ビナー)、右下の青丸(ケセド)、左の赤丸(ゲブラー)、右下の黄丸(全体の中央でティフェレト)、右下の緑丸(ネツァク)、左の橙丸(ホド)、右下の紫丸(イェソド)を経て、いわゆる、ジグザグに進み、最終の虹色丸(マルクト)のセフィラへと至る。

逆に、下から上にいたる道は『人が神になる』流れを表している、と解釈されたりするそうです。

つまり、イサクの言う「ケテルに至る」とは、に成ることを意味していた、ということですね!

黄金の夜明け団などでは生命の樹をタロットカードと結びつけての研究が行われていたようです。

黄金の夜明け』の位階構造

こちらは、『黄金の夜明け』団の位階がまとめられたもの。位階を制定するに際しては、英国薔薇十字協会の位階がほとんどそのまま持ち込まれているそうです。

黄金の夜明け 位階

引用:Wikipedia

 『悪魔』の正体は?

漫画版では明言されていませんでしたが、イサク自身が『俺が『檮杌』を唆した悪魔だよ』と発言していました。

また、自称悪魔が『檮杌』に接触した時期も、漫画版とアニメ版で異なっています。

 漫画版:246万7585秒前 17回目の起動  → 約28日前
 アニメ:98億5487万8051秒前 初回起動 → 約312年半前

アニメ版を前提にすると、イサクが『檮杌』に転写された時期と悪魔接触の時期が重なりそうなので、この点からも『悪魔』=イサクと考えられます。『悪魔』=イサクであることをわかりやすくするために、アニメ版では改変したのかもしれませんね。

ちなみに、転写の時期の計算方法はこんな感じ!

<計算方法>
  • ローゼンタール家の当主が、初代オベドから23代目エステルになるまでに400年が経過しているので、だいたい1人の当主が次の当主に代替わりするまでは平均18年ほど
  • 五代目ネイサンが当主だったのは『檮杌』に接触した時期はロゼンタール家が始まってから72年~90年の間の頃、つまり72年~90年の間に五代目ネイサンがイサクを『檮杌』に転写した
  • 『悪魔』が『檮杌』に接触したのは312年前、すなわちローゼンタール家が始まってから87年が経過したころ

さらに言えば、生前イサク・ローゼンタールは多くの人に『悪魔』と呼ばれていたため、『檮杌』に転写された際に『悪魔』を自称したと考えられるので、イサクが『悪魔』と名乗った理由も明らかになっています。

『悪魔』≠イサク 説

一方で、『檮杌』は漫画版でもアニメ版でも、人が聞き取れないような発音で悪魔を表現していました。

自称悪魔

引用:とある科学の一方通行6巻

『檮杌』は実際に『悪魔』に会って名前を聞いたことがあるからこそ、人が聞き取れない発音で『悪魔』を表現できた、とも考えられます。そうすると、『檮杌』に接触したのは本物の『悪魔』であるような気もしますよね!

しかし、『檮杌』が実際に『悪魔』と接触していなくとも、人が聞き取れない発音で『悪魔』を表現できる可能性が他にも考えられます。

それは、イサク・ローゼンタールが、生前、本物の『悪魔』と接触していたという可能性。もし、そうであれば、『檮杌』がイサクの記憶をもとに人が聞き取れないような発音で『悪魔』を表現できたとしてもおかしくありませんよね。

そう考えると、やっぱり『檮杌』に接触した自称『悪魔』はイサク・ローゼンタールだったと考えるのが妥当ですね!

イサク・ローゼンタールが接触した『悪魔』とは?

大悪魔『コロンゾン』

そこで疑問になるのが、イサク・ローゼンタールが接触した『悪魔』というのは何者なのか。現状、候補として考えられるのは大悪魔『コロンゾン』くらいでしょうか。

大悪魔『コロンゾン』

1909年にアレイスター=クロウリーが召喚した天使・悪魔。悪の諸力溢れる『クリフォト』ではなく、神秘なる〈セフィロト〉に隠された〈ダアト〉と同じ〈深淵〉に潜み、人の魂の上昇を途中で妨げる高次元存在。数価は〈333〉、拡散を本質として「人と人の不和」を煽り、世界の理の結合を妨げようとする。邪悪な意識の集合体であり、知識の本質に近づこうとする者を様々な方法で誘惑し、阻むといわれる。

『コロンゾン』については、作中ではこのようにも表現されています!

甘く囁く者。 三三三、その意味は拡散。

人と人との理解を遠ざけ、世界の結合を妨げる存在。

引用:新約 とある魔術の禁書目録(22) (電撃文庫)

悪魔の本質は囁く者、そして妨げる者よ。闇雲に手足を振り回して人を遠ざけたるのが悪魔なのではない。悪魔とは、招き、誘い、役に立って、成功と繁栄を思う存分与えてから、目の前の全てを奪いて一挙に地獄へ落としたる存在である。

引用:新約 とある魔術の禁書目録(22) (電撃文庫)

イサクがコロンゾンと接触できた理由

イサクがコロンゾンと接触した根拠となりそうなものとして考えられるのは、下に挙げたものくらいでしょうか。

(あくまでも『とある魔術の禁書目録禁書』の世界での出来事や考え方を前提としています。何か間違いがあったらごめんなさい。)

  • 312年前となると、アレイスターやメイガースが『コロンゾン』に接触する前と考えられるので、その時期にイサク・ローゼンタールが『コロンゾン』に接触していたというのも時系列的に矛盾しない
  • ローゼンタール家の魔術理論と西洋近代魔術の魔術理論には共通点があり(後述)、アレイスターやメイザースと同様、イサクがコロンゾンに接触できた可能性がある
  • 〈ケテル〉に至るには〈深淵〉を越えなければならず、悪魔との接触は不可避である
  • 『疑似魂魄』は定着した死体の『死の記憶』を得られる。多くの人間を殺していたイサクは、『疑似魂魄』により、『死の記憶』を多数保持することで〈深淵〉に至るまでのセフィロトを上昇できていた可能性がある

ローゼンタール家と近代西洋魔術の共通点

ローゼンタール家と近代西洋魔術には、いくつか共通点がみられるように思えます。

それがこちら!

  • ローゼンタールはドイツ語の苗字であり、400年前(おそらく1600年代)に死霊術を生み出す。イサク・ローゼンタールは「カバラ三百年の叡智の結晶」「ケテルに至る」と発言
  • 薔薇十字は17世紀(1600年代)初頭にドイツで活躍していた魔術結社。19世紀末のイギリスで創設された西洋魔術結社『黄金の夜明け』団は、ドイツ薔薇十字団の流れを汲むものとされ、カバラを下地にした術式群を備えている。『黄金の夜明』も『銀の星』も、『ケテル』に相当する位階が最終到達点。

ローゼンタール家は4代目イサクの代までに、異端として東洋に追放されてしまっていますので、『黄金の夜明』の影響を受けていません。しかし、時代や土地、魔術理論から察するに、薔薇十字の影響は受けている可能性は高い気がします!

イサク・ローゼンタールの理論は正しかったのか?

 仮に、イサク・ローゼンタールが大悪魔『コロンゾン』に接触し、『完全なるゴレム』の作成方法を聞いたとすれば、その方法は果たして正しいものだったのでしょうか。

コロンゾン。悪の諸力溢れる『クリフォト』ではなく、神秘なる〈セフィロト〉に隠された〈ダアト〉と同じ〈深淵〉に潜み、人の魂の上昇を途中で妨げる高次元存在。邪悪な意識の集合体であり、知識の本質に近づこうとする者を様々な方法で誘惑し、阻む者。

コロンゾンの言ったことをそのまま鵜呑みにするのは、少し怖い気がしますね。

まとめ

結論はこんな感じです!

『檮杌』に接触した自称『悪魔』はイサク・ローゼンタールである。イサク・ローゼンタールが、生前、本物の『悪魔』と接触していたのであれば、『檮杌』がイサクの記憶をもとに人が聞き取れないような発音で『悪魔』を表現できたとしてもおかしくはない。

タイトルから予想されるものとは違った結論になってしまいましたね!

ごめんなさい!

以上、みたか・すりーばーどTwitter@zombie_cat_cutでした。