【まとめ】学園都市の超能力や原石について解説！魔術との違いとは？【アレイスター】

量子力学の理論によれば、物理現象は起こり得る複数の可能性の中から一つを選択することで確定します。通常の人間は常識的な可能性しか選べないのに対して、能力者は「手から炎を出す可能性」「人の心を読む可能性」などのごく僅かな可能性を選び取り、本来あり得ない現象を確定し、ミクロの世界を自在に歪めることができます。

例えば、自然的現象が99%存在し、超自然現象が1%存在する時には、普通の人間が観測すると99%の確率で自然的現象が起こり、超自然現象が起こる確率はわずか1%のみ。しかし、脳を操作された人間は、1%しか存在しないはずの超自然現象を観測し、本来の確率を無視して無理やり発生させることができるのです。

そしてミクロな世界の歪みが「バタフライ効果」のようにマクロな世界にも影響を及ぼし、マクロスケールでの超自然現象、つまり本来有り得ないはずの歪んだ現象を引き起こします。

この通常とは異なる可能性を観測する現実とズレた独自の認識や感覚を「自分だけの現実」（パーソナルリアリティ）と呼び、能力開発では、科学的手法を使ってある種の人為的な脳障害を引き起こし、「自分だけの現実」を確立する事で能力を発現させているようです。

『自分だけの現実』

脳を操作された人間の「超自然現象を発生させる何か」＝「認識のずれ」
能力者が個々に持つ感覚で、能力発現の土台となる根本法則
人が世界を見るための認識を歪めるためのフィルター
妄想や思い込みに近く、非常識な現象を現実として理解・把握し、不可能を可能に出来ると信じ込む意志の力とも言われる
より強い個性を保ち、強靭な精神力や確固たる主義を持つことが「自分だけの現実」の強さに繋がるとされる

演算

能力自体は「自分だけの現実」で発現しますが、能力の行使と制御には頭脳による演算が必要不可欠です。どんな能力にもそれぞれに計算式があり、それを正確に演算することで能力を発動させる。演算能力がそのまま能力の正確性や威力に繋がり、訓練や学習や実験等で演算能力を鍛えればレベルも上がるようです。

『自分だけの現実』：能力の「種類」を決める

『演算能力』：能力使用時の「精度」と「制御可能値」を決める

また、能力の出力だけなら身体を大きくすれば向上するようですね！

➤【とある科学の一方通行】身体を大きくすれば能力が強化される理由とは？【考察】 - sky depth

AIM拡散力場

AIM拡散力場については、こちらの記事で解説しているので、参照してみてくださいね！

➤➤【とある魔術の禁書目録】AIM拡散力場に関する能力者や実験をまとめました！【まとめ】 - sky depth

➤➤【とある魔術の禁書目録】幻想猛獣、風斬氷華、エイワス、『神浄』に共通する三角柱からわかること【考察】 - sky depth

魔術との違い

長所・メリット

特に予備動作は要らず、使おうと思いさえすれば、準備なく身一つでどこでも即座に発動可能
基本的に学園都市のカリキュラムを受ければ誰でも能力を獲得することが可能

短所・デメリット

集中が乱れると能力の精度などに影響を及ぼし、極度の混乱や精神的疲労などに陥れば一時的に能力の使用が出来なくなることもある。
能力の種類は先天的資質に大きく左右され、どんな能力が身に付くかは開発するまで分からない。
能力は１人につき１種類で、一度習得した能力は変更することはできない。

全体論の超能力

学園都市の『超能力』がミクロな世界を歪めることで、マクロな世界で超常現象を引き起こすものであるのに対して、この『全体論の超能力』は、マクロな世界を歪めることで、ミクロな超常現象を発生させるというもの。

いわば、「宇宙全体を折ったり丸めたりすることで、その副作用で掌から炎を出す」ものであり、本人に宇宙全体を折ったり丸めたりしているという自覚はなく、また誰も気づかないため、実質的には起こっていないも同然であり、結果だけ見れば学園都市の『超能力』と変わらないようです。

『全体論の超能力』に類似した異能を振るう人物として、『全能神』としてのトール、人造の樹を世界に埋め込んでコロンゾンを弱体化させた一方通行などがいますね。

原石

学園都市外部において自然に発現した天然の能力者。

学園都市の能力開発と同じ環境が自然に整った場合に生まれる。世界的に見ても非常に数が少なく、現在確認されている「原石」の総数はわずか50人前後で、学園都市が創設される遥か昔より存在し、魔術発祥の要因にもなったようです。

「吸血殺し」を持つ姫神秋沙や、第７位の超能力者である削板軍覇などが「原石」に分類され、その能力は、人工の能力者などの「発現しやすい能力」とは方向性が違い、特殊性・稀少性が高いものが多いですね。

魔術と超能力の関係

【魔術】

異世界（＝『位相』）の法則を、強引に現世に適用して超常現象を起こし、世界に存在する等価交換の原則を騙して一の出費で十の成果を得る技術

【超能力】

「自分だけの現実」と呼ばれる「認識のズレ」によって、ミクロな世界を歪めることで、マクロな世界に超自然現象を引き起こす。

魔術とは、意志に応じて変化を引き起こす科学であり業である。

アレイスター＝クロウリー

アレイスター＝クロウリー『魔術ー理論と実践』より

魔術とは意思に従って意識の中に変化を起こす学にして術である。

　ダイアン＝フォーチュン

Ｃ・シセロ、Ｓ・Ｔ・シセロ『現代魔術の源流[黄金の夜明け団]入門』より

引用：新約とある魔術の禁書目録(22) (電撃文庫)

史実のアレイスター＝クロウリーは、魔術をこのように表現しています。

そして、禁書世界での上里勢力の1人、豊山琉華が言った言葉がこちら。

そうか、思春期の心性と薬物作用を網羅した超常誘発方式自体がかの僧院テレマの、いや、だとすると!? 科学と魔術？これ、こんなの、片腹痛いじゃない！ここにあるのが全部本当だとするなら、そもそも二つの世界なんか存在しない。たった一人の邪悪がそう見えるように切り分けているだけ!!世界は統一した理論で説明できてしまうじゃない！

引用：新約とある魔術の禁書目録(17) (電撃文庫)（太字は筆者による。）

「ただそこにあるものを、わかりやすく切り分けて再配布しただけだ。子供でも把握の容易な虹の七色やドレミの音階のように。･･････もっとも、それが全てだと思い込んだ世の馬鹿者どもは無事に世界を科学と魔術のニつに分類して考えるようになってくれたがね。実際には、両者の間には無限に等しいグラデーションが横たわっていたにも拘わらず、だ」

引用：新約とある魔術の禁書目録(20) (電撃文庫)（太字は筆者による。）

禁書世界においては、魔術と科学には確たる境界がないようですね！